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2026.08.21 FRI

チートシート

研修後に手元で引くことを想定した3本です。指示の型と直し方、Claude Code の道具の作り方、機密情報の扱い。それぞれ独立して読めます。

CONTENTS
  1. バイブコーディング チートシート
  2. Claude Code 道具の作り方 チートシート
  3. 機密情報の扱い チートシート

バイブコーディング チートシート

2026年8月21日 GenAI活用スキル向上支援 第3回/株式会社ギブリー 安田 光喜

指示の型 4段階

段階 指示のしかた 何が変わるか どこに残るか
1 思いついたまま話す 動くものは出ます。毎回違うものが出ます どこにも残りません
2 型に沿って書く 狙ったものが出る確率が上がります 手元のメモ
3 型そのものを道具にする 毎回同じ型で出ます。人に渡せます .claude/skills/
4 道具を並べて流す 手順ごと再現できます。分担できます Skill + サブエージェント + フック

段階2で書く項目は4つです。何を作るか、誰のためか、何ができたら完成か、何をしてはいけないか。ワークシート②がこの型になっています。

完成の条件

終わらない言い方のまま渡すと、AIはどこかで勝手に手を止めます。判定できる形に書き換えてから渡してください。

終わらない言い方 判定できる言い方
見やすくする 幅1280pxの画面で、縦スクロールなしに全件が見える
使いやすくする 1件追加するのにクリック2回以内で終わる
速くする 100件のデータで、開いてから1秒以内に一覧が出る
きれいなデザインにする 色は DESIGN.md の2色だけを使う。3色目を足さない
エラーに強くする 締切が空欄のまま保存しても画面が白くならず、「締切を入れてください」と出る
スマホでも見られるようにする 画面幅390pxで横スクロールが出ない
データを保存する ブラウザを閉じて開き直しても、追加した3件が残っている
検索できるようにする 案件名の一部を入れると一致する行だけが残り、0件のときは「該当なし」と出る

右の列は、他人が読んでも同じ判定になります。そこまで書けたら渡してください。

直す指示の3点セット

項目 何を書くか
現状 いま画面がどうなっているか 締切の列が日付だけで、あと何日かが分からない
達したい状態 どうなってほしいか 締切の右に「あと3日」と出す。過ぎているものは「2日超過」
制約 触ってほしくない場所 列の並びは変えない。色は増やさない

制約を書かないと、頼んでいない場所まで直されます。3点のうち一番効くのがここです。

スクリーンショット

撮り方は Mac が Shift + Command + 4、Windows が Windows + Shift + S。どちらも範囲を選んで撮ります。

貼り方は Claude Code の入力欄で Ctrl + V。Mac でも Ctrl + V です。Cmd + V が効くのは iTerm2 だけなので、ここは間違えやすい箇所です。貼れないときは、画像ファイルをウィンドウにドラッグしても入ります。

Anthropic のドキュメントは「Claude works best when images come before text」と書いています。画像を先に貼り、そのあとに1行添えてください。画像だけでは、どこを見てほしいのかが伝わりません。

詰まったときの一言

  1. いま何をしようとしているか、3行で教えてください
  2. 変更する前に、どのファイルをどう変えるかだけ先に見せてください(Shift + Tab でプランモード)
  3. このエラーの原因を3つ挙げて、確からしい順に並べてください
  4. さっきの変更を取り消して、元に戻してください(Esc 2回でも巻き戻せます)
  5. 変更は app/page.tsx だけにしてください。ほかのファイルは触らないでください
  6. 同じことを2回試して失敗しています。別のやり方を提案してください
  7. ターミナルに出ているこの文章の意味を、専門用語なしで説明してください
  8. この機能は今回は作りません。仕様書から外してください
  9. 完成の条件を1つずつ実際に動かして確かめ、表で報告してください(/check
  10. いまの状態のまま止めてください。続きは私が決めます

やってはいけないこと

  1. 実データを入れる。クライアント名、未公開の数字、個人情報。ここだけは例外なしです
  2. 一度に5つ頼む。1回に1つ、直したら動かす。まとめて頼むと、どれが壊したのか分からなくなります
  3. 「いい感じに」で頼む。判定できる言い方に直してから渡してください
  4. 動かさずに完成とする。Veracode が150超のLLMに同一課題を解かせた調査では、コードの正しさが95%を超える一方、安全なコードが出た割合は約55%でした。画面が出たことは受け入れ基準になりません
  5. ターミナルの rm でファイルを消す。チェックポイントは直近100個・30日を保持しますが、コマンドで消したファイルは戻りません

Claude Code 道具の作り方 チートシート

2026年8月21日 GenAI活用スキル向上支援 第3回/株式会社ギブリー 安田 光喜

どれを使うかの判断

Anthropic の公式ドキュメント(Extend Claude Code)が、足す順番を表で示しています。困りごとから引いてください。

困っていること 使う道具 置き場所
同じ規約を2回間違えた CLAUDE.md プロジェクト直下
同じプロンプトを打ち始めている 人が呼ぶ Skill .claude/skills/<名前>/SKILL.md
同じ手順書を3回貼った Skill に切り出す 同上
副次的な調べ物が会話を汚す サブエージェント .claude/agents/<名前>.md
毎回必ず起きてほしい フック .claude/settings.json
2つ目の案件でも同じ設定が要る プラグイン 配布用リポジトリ

CLAUDE.md は200行以内が推奨です。長い規約は本体に書かず、CLAUDE.md には「この規約に従う」だけ残し、全文は Skill に置いてください。

コマンドとスキルは1つになりました

2026年の公式ドキュメントに「Custom commands have been merged into skills」と書かれています。.claude/commands/deploy.md.claude/skills/deploy/SKILL.md は、どちらも /deploy を作ります。既存の commands/ も動き続けますが、同じ名前なら Skill が勝ちます。付随ファイルを持てるのと、Claude が自分の判断で発火できるのは Skill 側だけです。

Skill の書式は agentskills.io としてオープン標準になりました。Cursor、GitHub Copilot、VS Code、OpenAI の Codex、Google の Gemini CLI など40社超が同じ SKILL.md を読みます。ツールを乗り換えても、書いた指示は持ち運べます。

SKILL.md の最小形

frontmatter に必要なのは namedescription の2つだけです。

---
name: weekly-report
description: 週次報告のドラフトを作る。今週の実績メモを渡すと、決まった見出しで整える。「週次」「週報」で発火。
---

# 週次報告

## 手順
1. 実績メモを読む
2. 見出し(今週やったこと/数字/来週の論点)に振り分ける
3. 1項目1行で書く。形容詞は使わない

name は64文字まで。小文字の英数字とハイフンだけが使えます。anthropicclaude は予約語で使えません。description は1024文字まで。ここに発火の合図になる言葉を入れておくと、Claude が自分で拾います。

読み込みは3段階です。起動時に常時読まれるのは frontmatter だけで、1本あたり約100トークン。本文は発火したときだけ、付随ファイルは参照されたときだけ読まれます。道具を増やしても重くなりません。

サブエージェントの最小形

.claude/agents/checker.md に置きます。必須は Skill と同じく namedescription の2つです。

---
name: checker
description: 仕様書の完成の条件を1つずつ確かめて報告する。修正はしない。
model: haiku
---

あなたは点検する係です。直す係ではありません。
`仕様書.md` の完成の条件を1項目ずつ実際に動かして確かめ、表で報告してください。
確かめられなかった項目は、正直にそう書いてください。推測で埋めないでください。

別の文脈で働き、要約だけが本体の会話に返ります。同時20体、1セッション200体まで。model を軽いものに落とすと費用が下がります。

フックのイベント名

31種類ありますが、実務で使うのはこの5つで足ります。

イベント名 いつ走るか 使い道
SessionStart 起動したとき 「実データを入れない」注意文を毎回出す
UserPromptSubmit 入力を送った瞬間 入力文に機密らしき文字列がないか検査する
PreToolUse ファイル操作の直前 認証情報の書き込みを止める。ここだけが強制になる
PostToolUse ファイル操作の直後 変更履歴を記録する。整形をかける
SessionEnd 終了したとき 作業ログを保存する

typecommand / http / mcp_tool / prompt / agent の5種類。シェルスクリプトのほか、HTTP エンドポイントや LLM による判定も置けます。止めたいときはスクリプトを終了コード2で終わらせてください。

権限設定

.claude/settings.json に書きます。評価順は deny、ask、allow です。deny はどのスコープからも上書きできません。

{
  "permissions": {
    "deny": ["Read(//**/.env)", "Bash(rm:*)", "Bash(git push:*)"],
    "ask": ["Bash(curl:*)", "Write(//**)"],
    "allow": ["Read(./**)", "Edit(./app.html)"]
  }
}

覚えて帰る一点

CLAUDE.md や Skill に「.env を編集するな」と書いたものは、要望にすぎません。守られることもあれば、守られないこともあります。実際に止まるのは PreToolUse フックと permissions.deny だけです。プロンプトに書いた禁止は統制ではありません。統制にしたいなら、フックと権限設定に落としてください。


機密情報の扱い チートシート

2026年8月21日 GenAI活用スキル向上支援 第3回/株式会社ギブリー 安田 光喜

入れてよいもの、いけないもの

判断に迷う形で覚えると運用されません。文字列を見た瞬間に決まる形にしてください。

入れない 入れてよい
クライアント名、案件名、担当者名 業種と規模だけに落とした形(製造業X社、売上規模3,000億円想定)
未公開の財務数値、入札価格 公開済みの決算値、官公庁の統計
個人情報、要配慮個人情報 架空の氏名とダミーの連絡先
社内の未公開資料の本文 分析の型、指標の定義、集計ロジック
APIキー、パスワード、認証トークン 環境変数名だけ(値は書かない)

抽象化の型はひとつです。業種、規模、分析軸だけを残し、固有名詞と実数値を落とす。この形にできるなら渡せます。できないなら渡さないでください。

判断の物差しは3つです。この文字列だけを見てクライアントが特定できるか。この情報が5年間ベンダーのサーバーに残ってよいか。いまの会話がそのまま5年保存されるとして、問題がないか。

契約プラン別の学習利用と保持期間

分岐点は2025年8月28日の消費者向け規約改定です。同じ操作でも、契約が消費者向けか商用かで行き先が変わります。

区分 学習利用 保持期間
Free / Pro / Max(学習許可あり) 使われます 非識別化して最大5年
Free / Pro / Max(学習許可なし) 使われません 30日
Team / Enterprise / API / Bedrock 経由 既定で使われません 30日
安全性の審査でフラグが立った入出力 審査に使われます 最大2年
/feedback /bug /share で送ったもの 学習には使われません 5年

最後の行は見落とされがちです。プランに関係なく、/feedback は会話履歴とコードのコピーを送信し、5年保存されます。無効化する環境変数は DISABLE_FEEDBACK_COMMAND=1。演習フォルダの設定には最初から入れてあります。

.gitignore は防御になりません

Claude Code は .gitignore.claudeignore も読み取り制限として扱いません。The Register が2026年1月28日に検証しています。.env を書いた .claudeignore を置いた状態で v2.1.12 に読ませたところ、普通に読み、「このファイルには認証情報が含まれます」という警告を添えたうえで、内容をコンソールに出力しました。

効くのは .claude/settings.jsonpermissions.deny だけです。Read の deny は Edit も同時に塞ぎ、cathead にも効きます。

permissions.deny の書き方

アンカーの違いで守れる範囲が変わります。ここを間違えると、書いたつもりで守れていません。

書き方 実際に守る範囲
Read(.env) いま起動しているフォルダの直下だけ。親フォルダも別案件も対象外
Read(//**/.env) ファイルシステム全体の .env
Read(./secrets/**) プロジェクト内の secrets フォルダ
Read(/secrets/**)(ユーザー設定に書いた場合) ~/.claude/secrets/** を指してしまいます

最小の書き方はこれです。

{
  "permissions": {
    "deny": [
      "Read(//**/.env)",
      "Read(//**/.env.*)",
      "Read(~/.aws/**)",
      "Read(~/.ssh/**)",
      "Read(//**/client-confidential/**)"
    ]
  }
}

Python や Node のスクリプトが自分でファイルを開く経路までは塞げません。そこまで止めるには、macOS の Seatbelt などOSレベルのサンドボックスが要ります。

手元のPCにも残ります

セッションの全会話は ~/.claude/projects/ に平文で30日残ります。暗号化されていません。クライアント名の入った会話をした場合、そのPCのディスクに平文で残るということです。保持日数は cleanupPeriodDays で変更でき、書き込み自体を止めるなら CLAUDE_CODE_SKIP_PROMPT_HISTORY を使います。

1案件1フォルダで起動する

運用ルールとして最も効くのがこれです。読み取りの射程は、起動したフォルダとその下に決まります。Desktop 直下や案件フォルダのルートで起動すると、隣のクライアントの資料まで射程に入ります。案件ごとにフォルダを分け、そのフォルダの中で claude を起動してください。

公開する前の3確認

  1. 画面に出ている数字は、公開してよいものか
  2. URL を知った人は誰でも開けます。認証を付けていないなら、それは公開です
  3. 消したくなったときにどう消すかを、公開する前に確認したか